「何者/朝井リョウ」は何を伝えたかったのか?登場人物やリアルな感想、響いた言葉を紹介。

小説
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こんにちは、Jomaです。

直木賞を受賞した朝井リョウさんの『何者』。

朝井リョウさんの作品をずっと読んでみたいと思っていたので、先日手に取って読んでみました。

今回はあらすじや本の正直な感想を書いていこうと思います。

いつもと同様に心に響いた名言もまとめたので、そこだけでも見ていただけると嬉しいです。

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登場人物

最初に物語の中心となる5人の人物を簡単に紹介します。

二宮拓人(にのみや たくと)
主人公。学生サークルで演劇の脚本を作っていたが、就職活動を機にやめる。観察能力が高く、細かなことに気が付く。瑞月に片思い中。

神谷光太郎(かみや こうたろう)
拓人の友人で、一緒にルームシェアをしている大学生。元バンドマンの陽キャ。明るい性格でコミュニケーション能力が高い。

田名部瑞月(たなべ みづき)
理香とは留学で知り合い仲良くなる。光太郎と付き合っていたが留学中に別れた。ある事情を抱えながら就職活動に取り組む。

小早川理香(こばやかわ りか)
拓人と光太郎の上の階に住む大学生。瑞月と同様留学をしていた。就職活動に対する意識が高く、キャリアセンターでの面接練習やOB訪問を欠かさず行う。

宮本隆良(みやもと たかよし)
理香の彼氏で同棲中。就職活動に批判的で、現在は創造集団に所属している。人と出会い話すことが糧。

あらすじ

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎が率いるバンドの引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから―。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆人を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に潜む本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えてゆき……。直木賞受賞作。

内容紹介(裏表紙より)

3年目の大学生活も後半になり、目を背けていた就職活動にも向き合わなければいけない時期に…

同じ大学の4人は就職活動を通して集まるようになり、そこに理香と同棲をしている彼氏の隆良も顔を出し5人で話すことが増えた。

違う考え、違う想いを持つ5人。

就職なんかせずに自分の道を進みたい人。

そんな悠長なことを言ってられず、就職しないといけない事情がある人。

就職活動にあまり熱心に取り組んでいないのに上手くいく人。

頑張っているのに上手くいかない人。

SNSで他人の上手く行く姿を見て、そうはいかない自分が情けなる毎日。

しかし、関りを通してSNSでは見えない裏の顔が少しづつめくれていく。

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こんな人におすすめ

  • 就職活動をしている人
  • 自分が好きなように生きていきたい人
  • SNSに依存している人

この本はぜひ就活生の人に見て欲しいです。

内容が就活についてなので、分かりやすく共感も出来ると思います。

私自身も就活をしている際に読みました。

二つ目の「自分が好きなように生きていきたい人」については、その生き方自体を否定しているわけではなく、世の中には色々な事情を抱えた人がいて好きなように生きていけない人がいる中で、自分の考えを無責任に発信するのはやめた方がいいということです。

私も好きなことをして生きていきたいと考えていて、今まで両親にも何一つ不自由なく暮らさせてもらっていたので、今までの考えを見直し反省するきっかけになりました。

現在は、SNSで生き方を良くも悪くも煽るような発信が頻繁に行われているので、「SNSに依存している人」にもおすすめします。

好きなことをして生きていきたい人には、すこし視点が広がる一冊なのではないかと思います。

感想

『何者』

【面白さ】★★★☆☆
【学び】★★☆☆☆
【おすすめ度】★★★☆☆

直木賞受賞作の『何者』ですが私の評価は少し低めです。

正直読んでいて、あまり進展していないように感じていたので「どこでオチが来るんだろう?」と油断していたら、急にきてドキッとしました。

あまりの緩急に心臓がバクバクしたのを覚えています。

これが朝井リョウさんのすごさなのかもしてませんね。

私は読書をあまりしてこなかった本初心者なので、ミステリー小説のような常にドキドキしている感じが好きです。

ただこの本の良さは、最初に紹介した登場人物5人の性格が違うので、どんな人が読んでも「私はこの人に似てる!」と言う人がいるところだと思います。

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何を伝えたかったのか

朝井リョウさんは『何者』を通して何を伝えたかったのでしょうか?

私は「プライドを守るために人を見下し批判するのではなく、人の目を気にせずがむしゃらにもがき続けるしかない」ということを伝えたかったのではないかと思います。

人を見下しても”何者”にもなることはできず、”何者”かになりたいのなら頑張るしかないということですね。

二つ目は「世の中には色々な事情を抱えた人がいることを理解する」ということです。

何かをする時に、色々な事情を抱えた人がいることを理解していないと行動や発言は、自分が良いと思っていても他人からしたら滑稽に見えてしまいます。

その辺の謙虚さも大事だと感じました。

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『何者』には続きがある

実は『何者』には、同じく朝井リョウさんが出した『何様』という続きがあります。

『何様』では、『何者』に出てきた人物の過去や現在について書かれています。

私は次に読みたい本があったのでそっちを優先してしまいましたが、いつか『何様』も読んでみたいですね。

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心に響いた言葉(一部ネタバレあり)

瑞月さんは言った。「頑張らなきゃ」と。それだけが真実だと、俺は思った。
もっともっとがんばれる、じゃない。何も形になっていない時点で自分の努力だけアピールしている場合ではない。何のためにとか、誰のためにとか、そんなこと気にしてる場合じゃない。本当の「がんばる」は、インターネットやSNS上のどこにも転がっていない。すぐに止まってしまう各駅停車の中で、寒すぎる二月の強すぎる暖房の中で、ぽろんと転がり落ちるものだ。

何者 p138

「私たちはもう、たったひとり、自分だけで、自分の人生を見つめなきゃいけない。一緒に線路の先を見てくれる人はもう、いなくなったんだよ。進路を考えてくれる学校の先生だっていないし、私たちはもう、私たちを生んでくれたときの両親に近い年齢になってる。もう、育ててもらうなんていう考え方ではいられない」

何者 p251

「あんたは、誰かを観察して分析することで、自分じゃない何者かになったつもりになってるんだよ。そんなの何の意味もないのに」

何者 p309
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