「傲慢と善良」(朝日文庫)が面白かった。あらすじやオススメ度、心に響いた言葉を紹介。

小説
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こんにちは、Jomaです。

先日、辻村深月さんの『傲慢と善良』を読み終えました。

内容がとても面白く、考えさせられることも多かったので今回は紹介していこうと思います。

心に響いた名言もまとめたので、そこだけでも見ていただけると嬉しいです。

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あらすじ

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる―。彼女は、なぜ姿を消したのか。浮かび上がる現代社会の生きづらさの根源。圧倒的な支持を集めた恋愛ミステリの傑作が、遂に文庫化。

内容紹介(裏表紙より)

「あいつが家にいるみたい。どうしよう。帰れない」

坂庭真実がストーカー被害を受けていると前に聞いていた西澤架は、突然のSOSに動揺を隠せないでいた。

無事に真実に会うことは出来たのだが、真実は怯え震えていた。

婚活のアプリを通して知り合った2人。

結婚すればストーカーも諦めるだろうと思い、架は真実との婚約を決心するのだが、ある日突然真実は姿を消してしまう。

ストーカーについて詳しく聞いてなかった架は、真実の地元で手掛かりを探すのだが、真実の過去を知っていくうちにあることに気づき始める。

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こんな人におすすめ

  • 結婚を考えている20代,30代の人
  • 結婚に踏み切れない人
  • 今まで親など誰かが敷いたレールの上を歩いてきた人

突然ですが、あなたが結婚相手に求める条件は何ですか?

この本は婚活・結婚をテーマにしており、読むのにおすすめなのは大学生以上なのではないかと思います。

ストーリーの面白さはもちろんなのですが、辻村深月さんの「我々の身の回りに起きていることを極限まで解像度を高めている描写」に驚きます。

傲慢に生きてきた架善良に生きてきた真実

対照的な2人の行動が辻村さんの描写によって、いつの間にか自己の内面を見つめさせられ、無自覚の傲慢さに気づかされます。

感想

『傲慢と善良』

【面白さ】★★★★☆
【学び】★★★★☆
【おすすめ度】★★★★★

とても面白いのでおすすめです。

恋愛をするときに自分が無意識に何を考えているのかを見透かされたようで、ストーリーの面白さと同時に学びがありました。

本の帯に「『人生で一番刺さった小説』との声、続出」と書いてあったのですが、あながち間違いじゃないかもしれません。

この本は合計500ページ強あるのですが、5日で読んでしまうほど面白かったです!

辻村深月さんが書いた本をまた読んでみたいと思いました。

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朝井リョウさんの解説が分かりやすい

この本の最後には、朝井リョウさんによる解説がついています。

辻村深月さんが書いた解像度が高い描写を、分かりやすく簡潔にまとめあるので内容がスッと入ってきます。

解説の中でしっくりきた内容を少しだけ紹介します。

以下、ネタバレが含まれているので注意してください。

真実と架は面白いくらいに対照的だ。東京育ちで男性の架には選び放題なゆえ決断を先延ばしにする傲慢さがあったが、地方育ちで女性の真実はこれまで、自分以外の誰かに自分にまつわることの決定権を握られてきた。進学先や就職先に留まらずお世話になる結婚相談所や紹介してもらう相手に至るまで、ほぼ両親が選んでいたのだ。それに従う善良ないい子―で済むのは子どものうちまでで、大人になると、自分で”選ぶ”経験を積んでこられなかったことによる弊害が出てくる。
自分の意思が分からないのだ。
とわいえ、周囲や社会か求めるものに応えている期間は、そこに意思はなくとも不正解を叩き出すわけでもないので、間違わない自分への自己愛は募っていく。その結果、いざ結婚相手を”選ぶ”となったとき、どんな相手が目の前に現れても「ピンとこない」という常套句のうらにある「この不正解のない人生に相応しくない」という思いに立ち塞がられてしまう。善良でいい子、言い換えれば自分の意志で何も選んでこなかったこれまでの歴史が、いざ何かを”選ぶ”場面になったとき、真実を傲慢にしてしまうのだ。

傲慢と善良 P498

心に響いた言葉(一部ネタバレあり)

「皆さん、謙虚だし、自己評価が低い一方で、自己愛の方はとても強いんです。傷つきたくない、変わりたくない。―高望みするわけじゃなくて、ただ、ささやかな幸せが掴みたいだけなのに、なぜ、と。親に言われるがまま婚活したのであっても、恋愛の好みだけは従順になれない。真実さんもそうだったのではないかしら。」

傲慢と善良 P133

「ピンとこない、の正体は、その人が、自分に付けている値段です。」

「値段、という言い方が悪ければ、点数と言い換えてもいいかもしれません。その人が無意識に自分はいくら、何点と付けた点数に見合う相手が来なければ、人は、”ピンとこない”と言います。―私の価値はこんなに低くない。もっと高い相手でなければ、私の値段とは釣り合わない。」

傲慢と善良 P137

「箱入り娘って言葉があるけど、真実の場合もそうだったのかもね。うちは、そんなたいそうな家じゃないけど。だけど、真面目でいい子の価値観は家で教えられても、生きていくために必要な悪意や打算の方は誰も教えてくれない。」

傲慢と善良 P183

―現代の結婚が上手くいかない理由は、『傲慢さと善良さにある』―。
ここでも小野里夫人の言葉が思い出された。善良に生きている人ほど、親の言いつけを守り、誰かに決めてもらうことが多すぎて、”自分がない”ということになってしまう。
傲慢さと善良さが、矛盾なく同じ人の中に存在してしまう―。

傲慢と善良 P184
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